制作日記 -THE ONE-

Music Videoが公開されましたTHE ONEについて、制作過程とコンセプトを詳しく書き綴っていきたいと思います。この楽曲は2017年リリースのOCEANに収録されている楽曲で、自分なりに新しい手法を用いて制作しました。
まず、こうして楽曲として出来るまでに、時間はかかりました。適度なラフスケッチから、うまい具合にトラックが完成していくものはあっても、ヒップホップ独特なビート感、ハネ感を備えたエモーショナルなトラックには簡単にたどりつかないんです。
使用したDAWはMASCHINEとMPCsoftwareです。
元々が4つ打ちメインのバキバキなコンピューターミュージックをメインに作ってるので、クオンタイズのせいか、リズム感は常に一定なんです。ハイハットの遊びとか、スウィング、ゴーストノートでもうねりが少なくて。
それはそれで凄い良いのだけど、もっとアナログ感が欲しいな、っていう部分から最終的な着地はヒップホップビートより生音ながらもエレクトロビートに近いイメージになりました。
要所のピアノストリングスの旋律がサンプリングのような要素を持ってくれて、少し80年代半ばのクラッシックヒップホップのようなイメージを追求しました。
結局、メロでもラップでも、旋律がメロディを左右しますし、メロがなくても裏打ちとビートより、綺麗な旋律がより「俺らしい」ビートである気がするんです。それこそ、サンプリングループで、手打ちビート(サンプラーで)は別の曲で再現できればなと。8分でシンバルを入れたいと思ってて、叩いてみたら案外馴染んだけど、最終的にボツ。理由としては、派手さが増して、描いてた落ち着いた雰囲気に達しなかった。そういう試行錯誤は2ヶ月くらいかかったかもしれないです。
完璧の求めすぎはダメ
エナジーを感じるまでに、相当な時間を費やした楽曲かもしれません。
今回はある意味、ノリ重視のビートなんですよね。スネアの攻撃力に惚れて、構築した結果があれです。
ベースメイクも最初はエレクトロな打ち込み感満載のベースでしたが、絡む相手(パラアウトの音色)を変えることによって、グルーヴ感に特化したドープなサウンドを演出しています。今回のベースはKICKよりスネアとの相性が好きです。
今回のコンセプトの一つに、80年台後半のブラックミュージックが土台にありました。ドープな歌にイントロ、サビ、アウトロなどの展開があまり決められてないんですよね。後半バックのホーンが展開してくれてるので、そこからアウトロに至るまでの流れは欲を言えばもっとレコード感(サンプリングしてます感)に近づくようにノイジーなトラックにしたかったのですが、テープレコーダー持ってきてリサンプリングする勇気は俺にはありませんでした。
現代の音楽シーンでは考えられないような、革命的音源を作ろうと最初から気を張っても無理。ならば個性豊かな、アイデンティティを存分に感じる作品にしたいと、一番に思うようになったのが最近。例えば一言で、カッコいい、ダサいとか。それでいいと思う。直感で聞いて、これダサいな。かっこ悪いな。そう思っていいんです。聞いてくれた感想がその人にとってはダサい。でも、好きな音楽と聴く音楽を分ければ、違う考え方ができるかもと。リスナーの方々にもそれを問いかけるようなクエスチョン提示でもある。
何が音楽として正しいのか、そんな答えなんて無いですからね。
それでは。




