KAOSS PAD KP3

当時15歳の少年は、完全に一目惚れしてしまった。ふと立ち寄った楽器屋さん、煌々と輝くLEDと、メタリックなデザイン、強固な重みのある筐体。触れた瞬間、あまりにも衝撃を受けすぎた。
これは未来のデジタル・イメージングを彷彿とさせる、「今後を担う次世代のマシン」であると瞬間に確信した。そして、このマシンをいつか購入してやろうという野望を抱いた。それがKORG KaossPad KP3。
孤高のエフェクター
この機材がエフェクターだと分かるまでに時間はかからなかった。なぜなら当時流行していた「ハモネプ」で、数々のヒューマンビートボクサーがこの機材を使っていたからだ。
2007年、私は高校生。当時バンドをやろうと決意するも軽音部がない。しかもクソ真面目な勉強しかしてこなかった高校で、バンドメンバーを探すなんて無理だった。
まだDTMというシステムさえ主流ではなく、一般ユーザーが導入する敷居も高かったため、なんでもできるシンセサイザーのワークステーションを買うことに夢を見ていました。
そんなある日、KORGとの出会い。東京にある某楽器屋店。縦横無尽に並ぶDJブースの一角に、そいつはいた。KAOSSPAD KP3との初めての対面。兎に角カッコイイんです。当時高校生のクソガキには、めちゃくちゃ物欲に駆られるマシンだったんです。
語りはこの辺で終わりにしましょう笑
直感的なエフェクター
ということで今日はKAOSSPADについてのレビュー。非常に直感的で、偶発的に様々なエフェクトをかけられるという、初心者から玄人までが遊べる非常に使い勝手のいい機材。
私が所持しているのはKAOSS PAD KP3。KAOSSPAD 3世代目の機種であり、現行発売されているKP3+(マイナーチェンジバージョン)の初代モデルです。
KORG サンプラー/ダイナミックエフェクター KAOSS PAD カオスパッド KP3+
- 出版社/メーカー: KORG
- 発売日: 2013/02/23
- メディア: エレクトロニクス
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現行販売されているKP3+。初代と見た目は全く変わらない。
ざっくりした使い方の説明ですが、音の出る機材と繋いで「タッチパッドに触れるだけ」という、なんとも斬新なスタイル。触覚と聴覚を信じて音作りをするんです。
ビートボックス界隈でのブーム
前述にも書きましたが購入当時、世間はハモネプがブーム。私自身もヒューマンビートボックスに憧れ、ボイパに没頭していた時期でもありました。今でこそ孤高のYoutuberとなったHIKAKIN氏も、当時ヒューマンビートボクサーとしてブレイクし、数々のイベントに出演していましたね。私もそんなビートボクサーの彼に憧れて日々マイクを握っておりました。
ただやはり、ヒューマンビートボックスってすごい技術がいるんですよね。練習を重ねても、なかなか上達しない・・・センスがなかったのか俺。そんな時に、自分のボイパを録音しながら、音を重ねることができる機材があると知ったんです。
横着じゃないけれど、1ショットだけならば音を作れるんじゃないかと思い、瞬時にパソコンで検索するも、機材の名称が分からず、手がかかりがありませんでした。
しかしそれが、当時ふと入った楽器屋で発見することができたんです。購入したのは2008年頃。バイトに勤しんで購入しました。
豊富な入出力
外観から紹介していきます。入力出力はともにRCAケーブルに対応。マスターアウトと同じ出力のヘッドフォンアウト、マイク入力はTRSケーブルに対応しています。キャノン入力ではないため、市販のマイクを使用する際は、XLRーTRS変換ジャックが必要になります。

ヘッドフォンアウトにはボリュームノブ、マイク入力用にトリムノブが搭載されており、サンプリングの際にも困ることはありません。また、センドリターン・ダイレクトインプットの切り替えスイッチも付いており、ミキサー経由かマスターアウトかによって、簡単にエフェクトの出力を変えることができます。midiコントローラーとして機能させるためのmidi INOUT、USB接続は本体のバージョンアップの際にも使用します。
エフェクターとしての天下
機能で特筆すべき点は、やっぱり豊富なエフェクトの種類。入力された音にはダイレクトにエフェクトがかかります。直感的にルーパーだったり、フランジャーをかけることができるので、指でかかり具合を調節できるのは、本当に革命的だと感じましたね。今でこそ、midiコントローラーにさえKAOSS PAD直伝のタッチパッドが搭載されていて、当たり前のようになっていますけれど、KP3はLEDで視覚的にも楽しめるし、デザインとしても映えますから、登場当時はDJブースに必ずあるんじゃないか、ってくらい普及していましたよね。
斬新なプレイング
タッチパッドでは、縦軸と横軸、XYの法則でエフェクトのかかり具合を調節します。エフェクト・テンポはタップテンポでBGMを調節でき、プログラムメモリー機能により、エフェクトの呼び出しもボタンひとつで切り替えが可能。PAD MOTION機能を使えば、指でなぞったエフェクトプレイを記録することができ、HOLDボタンを押すことで同じエフェクトを保持できる機能も備えられています。至れり尽くせり。
現代はPCDJが主流になっていて、 PC内部のエフェクターで完結してしまうことが多いですが、アナログDJやフルCDJでプレイをする方には、今でもハードウェアエフェクターが必須アイテムです。セットにエフェクターをかませるには、ミキサーのセンドリターンに入れ込んで使えます。ハードウェアなんだけど、手軽に音を弄れるKP3は魅力的でしたね。
KORG KAOSS PAD KP3+ (1/3) New Effects : Filter / Modulation / LFO
KORG公式が公開しているKP3+のレビュームービー
サンプリング機能の搭載
もう一つはサンプリング機能。簡易的とは言わせない、4トラックサンプリング機能は、DJのループだったり簡易CUEとしても活用できる、非常に本格的なものだったので、今でも重宝しています。
取り込んだサンプルはワンプッシュでポン出しする事が可能。SDカードに入れて保存することもできるので、DJプレイしながら、好みのサンプル・ループを直感的に保存する事ができます。
このブログでも度々出てくるRoland「SP404」のような多機能なサンプリング機能ではないものの、「作りこみ」を目的としない、偶然性に特化したサンプリング機能は、音の増減で展開するようなダンスミュージック、前述に紹介したボイスパーカッション、DJプレイ等では常にマストアイテムとして「鎮座」できる存在です。1スロットにサンプリングできる秒数は10秒前後、4小節までと制約はありますが、4バンクをいかにして使い込むかによって、より偶然性を狙うことができますね。内容として十分なサンプリング機能となっています。
弟分「mini KP」の存在
このKP3には兄弟機種があり、2007年に発売された「KAOSSPAD Mini KP」というモデルがあります。こちらは生産が終了しており、今は中古市場でしか手に入らない機種となっていますが、こちらは筐体がコンパクトかつLEDパットが非搭載、サンプリング機能を省き、エフェクターに特化したマシンとなっています。しかも電池で駆動してくれるために、野外ライブなどでは欠かせないアイテムなんじゃないでしょうか。そんな私もこのMini KP持っています。(今は訳あって倉庫に眠っておりますが、近々取り出して現役復帰する予定です。)

まとめ
私がKAOSS PAD KP3を導入してからもう直ぐ10年が経とうしています。マイナーチェンジ版の後継機が発売されているも、まだまだ愛着を持った初代KP3を使っていこうと思っています。初代は入力時に若干の音痩せが懸念されていましたが、今になってはそれも味の一つ。先日、使い込んで錆びてしまったノブをメーカーから取り寄せて交換したので、外観もかなり綺麗に生まれ変わりました。初代の味をこれからも使い込んでいこうと思っていますし、寿命が来るまでは末長くブースの横に鎮座してくれる、スターティングメンバーであり続けたいと思います。




